独断的映画感想文:鳩の撃退法
日記:2022年6月某日
映画「鳩の撃退法」を見る.
2021年.監督:タカハタ秀太.
出演:藤原竜也(津田伸一),土屋太鳳(鳥飼なほみ),風間俊介(幸地秀吉),西野七瀬(沼本),豊川悦司(倉田健次郎),佐津川愛美(幸地奈々美),桜井ユキ(加賀まりこ),岩松了(川島社長),村上淳(山下),坂井真紀(加奈子),濱田岳(堀之内),ミッキー・カーチス(房州老人),リリー・フランキー(まえだ).
高円寺のバーで働く元作家の津田,津田から新作として原稿を受け取った編集者・鳥飼は,5万円と引き換えに原稿を預かる.その内容は次のようなものだった.
主人公は元作家の津田,今は富山でデリヘル嬢の送迎運転手として暮らしている.ある日津田はなじみの深夜喫茶で,顔見知りの男・秀吉に声をかける.水商売をしている秀吉は,夜中に帰宅して妻子を起こさないためここで読書し時間をつぶしている.秀吉と別れた津田は,デリヘル嬢の加賀まりこから恋人の春山を駅に送るよう頼まれるが,春山は駅で待っていた別の車に乗り込む.翌日秀吉は従業員から3万円前借したいと頼まれ了承するが,その後自宅で妻から妊娠したという報告を聞き,その日はバーを休むと連絡を入れる.しばらくして津田は懇意にしていた古本屋の主人・房州が亡くなった知らせを受けるが,房州が津田宛に残したバッグには3003万円の現金が入っていた.一方,秀吉は津田と深夜喫茶で別れた日から,家族ともども行方不明になっていた.数日後津田はデリヘルの社長から呼び出され,津田が床屋・まえだで使った1万円札が偽札で,警察と「本通り裏」と呼ばれるヤクザのボスが,偽札を使った人物を追究していることを聞く….
鳥飼が読む津田の原稿はフィクションなのか現実なのか.かって津田の傑作小説を扱った鳥飼は,それが事実そのままであったことからトラブルに巻き込まれた経験を持つ.秀吉と妻子は何故・どこへ消えたのか.偽札は何故津田が持つに至ったのか,そのケリはどうつけられるのか.映画の後半,輻輳する謎は次々に伏線を回収して明らかになっていくが,その決着がどうなるか,スリリングな展開はなかなか面白い.
俳優では藤原竜也を始め,豊川悦司,浜野謙太,岩松了ほかベテラン俳優がふんだんにキャスティングされ,それぞれが味のある演技.エンタテインメントとして見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)
人気ブログランキングへ
コメント