« 独断的映画感想文:AVA/エヴァ | トップページ | 独断的映画感想文:ときめきに死す »

2022/08/09

独断的映画感想文:キネマの神様

日記:2022年8月某日
映画「キネマの神様」を見る.
2021年.監督:山田洋次.1_20220810212601
出演:沢田研二(ゴウ),菅田将暉(若き日のゴウ),永野芽郁(若き日の淑子),宮本信子(淑子),野田洋次郎(若き日のテラシン),北川景子(園子),寺島しのぶ(歩),小林稔侍(テラシン),リリー・フランキー(出水監督),前田旺志郎(円山勇太).3_20220810212601
ゴウは年金生活者だがばくちと酒で借金をこしらえては妻・淑子と娘・歩にしりぬぐいをさせている.業を煮やした歩はゴウの銀行カードを取り上げ,ばくちと酒に手を出させないようにする.ゴウは家を飛び出し,近所の昔馴染みテラシンが経営する映画館・テアトル銀幕に転げ込む.5_20220810212601
やることがないゴウはやがて家に戻るが,孫の勇太はゴウがむかし書いた台本を見つけ,現代風に書き直そうとゴウとともに台本作りに熱中する….
50年前,ゴウは映画監督出水組の助監督,テラシンは撮影所の映写技師だった.スター女優桂園子に可愛がられたゴウは,テラシンとともに撮影所前の食堂の看板娘・淑子を好いていた.ある日園子の車で海に出かけたゴウ,テラシン,淑子.互いの仲は急速に接近するが….
映画は50年前と現代を交互に追いながら,彼らの映画の仕事と恋の行方を描いていく.4_20220810212601
山田洋二の映画らしく,主人公ゴウは栄光を手にしない.映画が好きでそのために勉強もし,新しいアイディアをもって監督にチャレンジする機会を得たのに,その夢は挫折する.しかし最後に映画の神様はゴウに微笑んでくれる.2_20220810212601
映画に掛けた青春,その蹉跌,無我夢中の恋.物語の行く末は見当がついても,山田洋次の語り口に引き込まれ見入ってしまう楽しさ.見て損はなし.映画のクランクイン後に亡くなった志村けんを引き継いで,沢田研二が哀愁のダメ親父を好演,劇中で歌う東村山音頭には胸が熱くなる.
★★★☆(★5個が満点).
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキングへ


« 独断的映画感想文:AVA/エヴァ | トップページ | 独断的映画感想文:ときめきに死す »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 独断的映画感想文:AVA/エヴァ | トップページ | 独断的映画感想文:ときめきに死す »