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2022/09/09

独断的映画感想文:クライ・マッチョ

日記:2022年9月某日
映画「クライ・マッチョ」を見る.1_20220917214501
2021年.監督(制作も):クリント・イーストウッド.
出演:クリント・イーストウッド(マイク),エドゥアルド・ミネット(ラフォ),ナタリア・トラヴェン(マルタ),ドワイト・ヨーカム(ポーク).3_20220917214501
マイクは牧童出身のロデオスターだった男.落馬事故で体を傷め,先年妻と息子を交通事故で失ってからは,薬と酒に溺れている.長年彼を雇い支援もしてきたポークからも,遂に解雇を言い渡された.
1年後,ポークが彼を訪ねてくる.メキシコにいる別れた妻と暮らす息子が,母親に虐待されている,アメリカに連れ帰って欲しいと言う.誘拐とみなされかねない仕事だけにマイクは渋ったが,恩義あるポークのために引き受ける.メキシコの母親の家に行くとパーティーの真っ最中,会場に入ったマイクはすぐに用心棒に捕まる.母親は豪華な家に住むが男出入りが激しく,息子ラフォは家出して闘鶏場に入り浸る不良だと言ってマイクを追い出した.闘鶏場に入ったマイクはラフォを見つけ出し,折からの警官の手入れに紛れラフォを連れ出す.4_20220917214501
アメリカの牧場主の父のもとに行かないかという誘いに,家出生活に希望を持てなかったラフォは乗り気になり,闘鶏のチャンピオン・マッチョとともにマイクとアメリカに向かう.母親は追手を放ち連邦警察に通報したため,マイクたちは裏道を通って国境に向かうが,途中の集落で車は故障,マイクたちは食堂・マルタの店に世話になり,村外れの礼拝堂に泊まることにする.やがて女主人マルタが自分のコテージを提供,マイクは野生馬調教の仕事をラフォとともに請け負い,その街でしばらく暮らすことになる….5_20220917214501
老境のカウボーイが訳アリの少年と鶏とともに旅するロードムービー.90歳を超えたクリント・イーストウッドが,元気に馬に乗りアクションをこなす.この物語でラフォは家出少年から自立した男になって行き,マイクはラフォを鍛える中で自分を再生することができるようになる.野生馬の調教牧場に仕事を得て長逗留するのも,将来テキサスの牧場を引き継ぐかもしれないラフォに,馬の仕事一式を身に着けさせるためだ.2_20220917214501
孫のようなラフォと接しているうちに,マイクは人生を肯定的に見るようになる.元来マイクは動物好きで,マイクのもとには犬に咬まれた羊や太り過ぎた豚,老衰した犬などが次々に運び込まれるが,マイクは買主が満足するようにそれらの動物を癒してあげる.そのこともラフォを驚嘆させる.
物語は自立したラフォとマイクの姿を描いて終わりとなる.俳優では,食堂の女主人マルタを演じるナタリア・トラヴェンが素晴らしい.独りで親を亡くした孫娘らを育てながら,食堂を切り盛りするマルタが素敵だ.ラフォが抱いて話さない闘鶏・マッチョも素晴らしい活躍.「俳優」は10匹近い鶏達らしいが,的確な演技で大活躍をする.クリント・イーストウッドはただ見ているだけで見応えあり.しみじみほのぼの系の映画,見て損はなし.
★★★★(★5個で満点).
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