独断的映画感想文:天間荘の三姉妹
日記:2022年11月某日
アップリンク吉祥寺へ,映画「天間荘の三姉妹」を見る.
2021年.監督:北村龍平.
出演:のん(小川たまえ),門脇麦(天間かなえ),大島優子(天間のぞみ),高良健吾(魚堂一馬),山谷花純(芹崎優那),萩原利久(早乙女海斗),平山浩行(早乙女勝造),柳葉敏郎(魚堂源一),中村雅俊((友情出演)宝来武),三田佳子((特別出演)財前玲子),永瀬正敏((友情出演)小川清志),寺島しのぶ(天間恵子),柴咲コウ(イズコ).
東北の海沿いにある三瀬村.老舗旅館・天間荘の若女将・のぞみが,妹かなえとともに緊張して玄関で待つ.タクシーで謎の女性イズコに案内され到着したのはたまえ,二人の異母妹だ.たまえは初めて見る海に夢中.浜辺で寝入ってしまう.
ここは現世とあの世の間にある世界,たまえは母に死なれ父は蒸発,天涯孤独の身で施設で生きてきた.働き始めた直後交通事故に遭って,今現世では生死の境にある.自分の魂をゆっくり休め,来世に旅立つか現世に戻るかを自分で決める場所が,この三瀬村だ.たまえは客としてこの天間荘に来たのだが,迎えたのぞみとかなえが異母姉妹と知り,自分も天間荘で働くと言う.
天間荘の客・財前も現世では生死の境にいる.中居見習いとして働き始めたたまえは,財前に厳しくしごかれる.新たな客として優那がやってくる.いじめで自殺を図った彼女もやはり前世では生死を彷徨っている.自暴自棄になっている優那はたまえと次第に友情をむすぶようになるが….
現世とあの世の間にある三瀬村とは,どういう場所なのだろう.天間荘の次女・かなえは村の水族館に勤めイルカを調教している.水族館には観光客も来ている.天間荘には毎日魚を納品する一馬も来るが,数馬とかなえは恋仲らしい.それらすべてがこの世ではないというのは,どういうことなのか.
映画はその事情を次第に明らかにしつつ,この世の人ではない人々の行く末と,現世の人でもある財前,優那,たまえの運命を描いていく.主役のんの存在感が素晴らしく,その魅力に引き込まれた.共演する三田佳子,寺島しのぶ,永瀬正敏らの演技も味わい深い.見て損はなし.
ただ,全体としてはやや冗長で,150分の長尺にする意味はあまり感じない.カメオ出案の高橋ジョージやつのだひろ等も余計.
★★★☆(★5個が満点).
人気ブログランキングへ
コメント