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2023/02/06

独断的映画感想文:コーダ あいのうた

日記:2023年2月某日
映画「コーダ あいのうた」を見る.1_20230209214901
2021年.監督・脚本:シアン・ヘダー.
出演:エミリア・ジョーンズ(ルビー・ロッシ),エウヘニオ・デルベス(ベルナド),トロイ・コッツァー(フランク・ロッシ),フェルディア・ウォルシュ=ピーロ(マイルズ),ダニエル・デュラント(レオ・ロッシ),マーリー・マトリン(ジャッキー・ロッシ).2_20230209214901
ルビーはマサチューセッツ州グロスターで漁業を営むロッシ家の娘.両親と兄は聾者で,ルビーは家族でただ一人の健聴者だ.毎朝3時に起きて父・兄とともに漁船に乗り込み,高校では爆睡の日々.放課後も何かと家族の通訳を勤め多忙なうえ,家では遠慮なく生活騒音を立てる(本人たちには聞こえない)家族のため勉強に集中できない.5_20230209214901
そんなある日,気になる同級生マイルズが入った合唱サークルへ自分も参加したルビー,指導者のベルナドはルビーの才能を見抜き,バークリー進学を勧めてマイルズとルビーに個人レッスンを申し出る.新しい世界に胸躍らせるルビー,しかし両親には歌というものの価値は全く分からない.おりしも家族は搾取する仲買から離れて直接消費者に売るプロジェクトに乗り出し,ルビーの「通訳」としての役割はますます欠かせないものになって行く.ついにルビーは進学をあきらめるにいたる….3_20230209214901
CODAは音楽記号で「最後部」,曲の最後を飾る部分の意味.一方で” Children of Deaf Adults” 耳が聞こえない、または聞こえにくい親のもとで育つ子どものことでもある.ルビーの,家族と愛し合いながらも苦労の絶えない日々.4_20230209214901
学校に初めていく様になった時,言葉がおかしいといじめられたことがある.美しい声でベルナドのレッスンを受けても,自分の声に自信が持てない.それに気づいたベルナドから指導され,初めて腹の底から自分の気持ちを込めた声を出し歌ったシーンは,感銘的だ.主演のエミリア・ジョーンズの魅力には抗し難い.また,がさつながら直情径行な両親と兄,演じた役者はいずれも聾者だ.聾者としての苦労,差別に直面しながら,陽気に人生を楽しむ彼らの在り方も印象的.素敵な映画,見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)
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