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2023年3月に作成された記事

2023/03/29

独断的映画感想文:あの日の指輪を待つきみへ

日記:2023年3月某日
映画「あの日の指輪を待つきみへ」を見る.Closing-the-ring1
2007年.監督:リチャード・アッテンボロー.
出演:シャーリー・マクレーン(エセル・アン),クリストファー・プラマー(ジャック),ミーシャ・バートン(若き日のエセル・アン),スティーヴン・アメル(テディ),ネーヴ・キャンベル(マリー),ピート・ポスルスウェイト(クィンラン),ブレンダ・フリッカー(エレノア),グレゴリー・スミス(若き日のジャック),デヴィッド・アルペイ(若き日のチャック),マーティン・マッキャン(ジミー).Closing-the-ring3
1991年,長年連れ添った夫・チャックを亡くしたエセル・アン,その葬儀の日空軍で同僚だったジャックが参列するが,エセル・アンは教会の外でタバコをふかす.一方ベルファストの丘を掘り返す老人クィンラン,興味を持って近づいた少年ジミーに,ここに墜落した爆撃機の機体を掘っていると打ち明ける.Closing-the-ring4
1941年のミシガン州ブラナガンの空軍基地,若き空軍兵士テディ,チャック,ジャックの3人はエセル・アンという娘に恋をする.彼女が選んだのは貧しくも誠実な爆撃手・テディだった.テディは彼女の両親に認めてもらうために自力で家を建て,その家を3人と彼女の友愛会館と位置付ける.やがて出征が近づき,エセル・アンはテディに自分と彼の名を彫った金の指輪を送り,テディとエセル・アンはジャック,チャックの立ち合いのもと結婚式を挙げる.そしてテディは自分に何かあった時の後事を,チャックとジャックに託したのだった….Closing-the-ring5
若き日の恋愛を50年にわたって持ち続けたエセル・アンの物語.映画の冒頭,1991年のブラナガン,1941年のベルファストの防空壕(クィンラン少年のエピソード),1941年のブラナガン,1991年のベルファストが次々と描かれ,話は判り難い展開.また,ベルファストもIRA(アイルランド共和国軍)のテロ活動華やかなりし頃で,状況が今一つよく判らない.Closing-the-ring6
後半,エセル・アンがベルファストを訪れるところから物語が展開し面白くなる.特に1941年のベルファストで3人と交流のあったイケイケ姐ちゃんのエレノアが,ジミーのお祖母ちゃんだというネタが傑作だ.シャーリー・マクレーンとクリストファー・プラマーの両優を見るだけで楽しい.
★★★☆(★5個が満点).
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2023/03/03

独断的映画感想文:大人の事情

日記:2023年3月某日
映画「大人の事情」を見る.1_20230511153701
2016年.監督:パオロ・ジェノベーゼ.
出演:ジュゼッペ・バッティストン(Peppe),アルバ・ロルヴァケル(Bianca),ヴァレリオ・マスタンドレア(Lele),アンナ・フォッリエッタ(Carlotta),マルコ・ジャリーニ(Rocco),エドアルド・レオ(Cosimo),カシア・スムトゥアニク(Eva).3_20230511153701
皆既月食があるという晩,ロッコのマンションに5人の友人が集まる.コジモとビアンカは新婚,レレとカルロッタはまだ幼い子供とレレの母親と暮らしているが,夫婦は倦怠期.ペペは恋人に振られたと言って一人で来た.ロッコは外科医で妻エヴァはカウンセラーだが16歳の娘は反抗期だ.4_20230511153701
夕食の四方山話の中で,エヴァの提案で,食事中にかかってきたメールや電話を,オープンにすることになる.メールは読み上げられ,電話はスピーカーに切り替えるというルール.和やかに始まったゲームは,しかし月食の進行とともに笑えない事実が次々に明るみに出てくることになった….2_20230511153701
舞台は最後までロッコのマンションの中,7人の登場人物がバレかけたマズい事実を隠すために四苦八苦・悪戦苦闘する.状況は次第に洒落では済まない深刻なものになっていき,彼らの人間関係は破綻の崖っぷちに.コメディとして笑って見ていた観客も,固唾をのむ展開となる.この状況はどう着地可能なのか?5_20230511153701
イタリア人らしい直截で辛辣な言葉が機関銃のように飛び交い,隠されていた事実が思わぬことから露わになる過程が見応えたっぷり.本作は国内外の映画祭で多数の映画賞を取った他,欧米・アジア・ロシア・中国・イスラム系の18か国でリメイクされており,この手の設定の面白さを浮き彫りにしている.一見の価値あり.
★★★★(★5個が満点)
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