独断的映画感想文:ベルファスト
日記:2023年4月某日
映画「ベルファスト」を見る.
2021年.監督・脚本:ケネス・ブラナー.
出演:カトリーナ・バルフ(母さん),ジュディ・デンチ(ばあちゃん),ジェイミー・ドーナン(父さん),キアラン・ハインズ(じいちゃん),コリン・モーガン(ビリー),ジュード・ヒル(バディ).
1969年,ベルファストに住むバディはまだ小学生.父さんはロンドンに出稼ぎに行っているが,貧しい中でも母さん,じいちゃん,ばあちゃんや近所の人たちと楽しく暮らしている.同級生には大好きなキャサリンもいる.
ところがある日,街のカトリック系の住民の店が,プロテスタント過激派に襲撃された.カトリックもプロテスタントも仲良く交流していた街の皆には青天の霹靂,以来街にはバリケードが築かれ英国軍が常駐する.しかし過激派は秘かに街に出入りしプロテスタント系住民に接触,敵対すると只ではすまぬと脅す.街は分断され住民たちが疲弊する中,父さんと母さんはロンドンへの移住を考えていた….
英国の名優・ケネス・ブラナーが監督した,自伝的映画.ベルファストの住民の生活をユーモアとペーソスに満ちた視線で描く.父さんは,結局はロンドンの勤め先が正規雇用してくれたのでロンドンに移住したが,一時はシドニー等の英連邦の国ならどこでもという切羽詰まった状況だった.
いつの世でも過激派の先鋒は訳の判らぬ若者たちだ.理不尽な戦闘と牧歌的な子どもたち,パブでの大人たちの交流が交錯する,臨戦状態のベルファストが印象的.
DVDにはサービストラックが幾つかあるが,「もう一つのエンディング」というトラックは必見.50年後にベルファストを訪れたバディ(演じるのはケネス・ブラナー自身)が,かっての街を訪れキャサリンと再会するというシーンだ.涙が出た.
★★★★(★5個が満点).
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