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2024年4月に作成された記事

2024/04/01

独断的映画感想文:インディアン・ランナー

日記:2024年4月某日
映画「インディアン・ランナー」を見る.1_20240405160701
1991年.監督・脚本:ショーン・ペン.音楽:ジャック・ニッチェ.
出演:デヴィッド・モース(ジョー・ロバーツ),ヴィゴ・モーテンセン(フランク・ロバーツ),ヴァレリア・ゴリノ(マリア),パトリシア・アークエット(ドロシー),チャールズ・ブロンソン(父),サンディ・デニス(母),デニス・ホッパー(バーの主人).5_20240405160701
映画の冒頭,犯人を追って雪道を突っ走るジョーのパトカー.犯人を追い詰めたジョーは立ち向かってきた犯人を撃つ.
ジョーは以前は農場を経営していたが,今は土地を手放し警察に勤務している.メキシコ人のマリアと結婚し,一人息子のラファエルはまだ1歳だ.ある日ベトナム戦争に従軍していた弟のフランクが帰ってくる.兄弟は再会を喜ぶが,フランクは両親には会わないと告げ姿を消した.
半年後,ジョーはフランクが刑務所に入っていることを知り,ひそかにその出所を迎えに行く.フランクは彼を待つ恋人ドロシーと共にモーテルに入って行き,ジョーはその後を追って再会を果たした.その後母親の病死,父親の自殺と不幸が続くが,フランクは葬儀にも顔を見せなかった.しかし恋人ドロシーが身ごもり,二人はささやかな結婚式を挙げて両親の実家に住むことになる.フランクは仕事にも就き,落ち着くかと思われたが….3_20240405160701
ベトナム戦争で精神を病んだフランクと兄ジョーの物語.ジョーは誠実で温厚な人物,弟フランクは元来粗暴な性格だったらしく両親の愛もジョーに偏っているのが明らかで,家庭内でフランクは確執を抱えていたようだ.映画はその間の事情を説明はせず,発生する事件を淡々と描いていく.2_20240405160701
フランクの破綻にもかかわらず,印象的なのはこの兄弟の結びつきの深さだ.ジョーはフランクの立ち直りを決してあきらめず,フランクも兄ジョーには決して手を出さない.ドロシーの出産の夜,姿を消し酒場で泥酔していたフランクと,追ってきたジョーとのギリギリの会話シーンには,涙を禁じ得ない.この後ジョーは決定的な事件を起こし車で逃亡,ジョーはパトカーで追う.ラストシーンは冒頭のシーンと同じなのだ.4_20240405160701
ショーン・ペンの監督初作品だが,全編を通じ緊張度が高く実に見応えあり.デヴィッド・モースとヴィゴ・モーテンセンが好演,デニス・ホッパーが元気にアクの強い役をやっているのもうれしい.音楽を担当したジャック・ニッチェはローリング・ストーンズやニール・ヤングのアルバムではお馴染みのミュージッシャン,挿入されるトラフィック,ジャニス・ジョプリン,ザ・バンドらの名曲も懐かしい.一見の価値あり.
★★★☆(★5個が満点)
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