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2024年6月に作成された記事

2024/06/28

独断的映画感想文:去年の冬、きみと別れ

日記:2024年6月某日
映画「去年の冬、きみと別れ」を見る.1_20240703211801
2018年.監督:瀧本智行,脚本:大石哲也,原作:中村文則.
出演:岩田剛典(耶雲恭介),山本美月(松田百合子),斎藤工(木原坂雄大),浅見れいな(木原坂朱里),土村芳(吉岡亜希子),北村一輝(小林良樹).4_20240703211801
雑誌編集長の小林は,フリーライターの耶雲から企画の売り込みを受ける.最近失火でモデル・吉岡亜希子が焼死し,その件については不起訴処分になった写真家・木原坂雄大は,実はモデルを焼き殺したのだという記事企画である.木原坂雄大と姉の朱里は,母親を亡くし父親から虐待を受けて育った.父親は姉弟の幼い時に殺害されたが,その事件は迷宮入りである等,耶雲の挙げた根拠はいずれも状況証拠だったが,上司は興味を示し耶雲の企画を進めることにする.3_20240703211801
耶雲は木原坂の自宅を訪ね面談し,自宅出入りの許可を得る.全力で取材を進める耶雲,結婚間近だった婚約者百合子とも疎遠となる.ところが雄大は百合子に目をつけモデルとして自宅に招く.それ以来消息を絶った百合子,耶雲は小林とともに木原坂の自宅に飛び込むが,そこには燃え上がる死体を狂喜して撮り続ける木原坂の姿があった….2_20240703211801
これが物語の前半,この後映画は,編集者小林が実は朱里と通じ合っていたことや,耶雲恭介の思いがけない独白を展開し始める.登場人物それぞれの,実は互いに前半では隠されていた関係性が明らかにされていくのだ.しかしなお事件の全貌は見えず,着地点は容易に明かされない.伏線がすべて回収され物語の全構成が明らかになるラストシーンは,なかなかの見応え.5_20240703211801
見終わって見れば,個々のシーンのタイミングは全くの偶然の結果であったり,事前の準備や金の都合はどうなっていたのか等,未解決の問題は幾つも出てくるが,映画の進行中は怒涛の展開にあれよあれよと乗せられていくのがいっそ痛快である.見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点).
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2024/06/11

独断的映画感想文:ブラック アンド ブルー

日記:2024年6月某日
映画「ブラック アンド ブルー」を見る.1_20240630171201
2020年.監督:デオン・テイラー.
出演:ナオミ・ハリス(アリシア・ウェスト),タイリース・ギブソン(マイロ(マウス)・ジャクソン),フランク・グリロ(テリー・マローン),マイク・コルター(ダリウス),リード・スコット(ケヴィン).3_20240630171201
退役軍人のアリシアは,故郷の街ニューオーリンズに警察官として着任する.ニューオーリンズは白人の人種差別と黒人の警察への憎悪が交錯する街,ストアで働いているマウスや,ギャングのボス・ダリウスの妻・ミッシーと出会うが,二人とも幼馴染のアリシアに心を開かない.その夜パートナーの白人警官ケヴィンの夜勤を交代したアリシア,相棒の黒人警官ブラウンは,私用電話に入った連絡で情報屋に会うと云い,独りで廃工場に入って行く.銃声が聞こえアリシアが駆けつけると,麻薬課の刑事マローンが売人を射殺する現場を目撃する.2_20240630171201
声を上げたアリシアは撃たれ階下に転落するが,軽傷で済んだ.携帯と拳銃を失ったアリシアを,ボディカメラを奪って口を封じようとマローン,ブラウンらが追う.無線で本部に救援を求めるが,やって来たパトカーはマローンの仲間の警官たちだった.間一髪で逃げ出しマウスのストアに逃げ込んだアリシアは,マウスの協力を得てケヴィンに連絡する.4_20240630171201
やって来たケヴィンの話では,マローンは押収した麻薬の半分を横流しして収益を上げており,それがばれそうになって協力者の売人を殺したのだという.マローンと同調するべきだというケヴィンの車から脱出し,アリシアはマウスのアパートに暫く匿ってもらうことにする.一方マローンの虚偽の報告で,売人を射殺したのはアリシアだということになり,警察は総力を挙げてアリシアを追い,部下の売人を殺されたと信じたダリウスも組織を挙げてアリシアを追う….5_20240630171201
警察と黒人ギャングに追い込まれ絶体絶命の警官アリシアを描くサスペンス.アリシアが新人警官でありながら軍務経験者という設定が,リアルな逃亡劇を裏付けその展開を面白くしている.協力者に転ずるマウス,極悪警官マローン,ギャングのボス・ダリウス,中途半端な立場にいるケヴィンら登場人物も,いずれもリアルな存在感があり,物語は緊張感をもって進む.最後に至るまで目の離せないサスペンス,映像もシャープで見応えあり.一見の価値あり.
★★★★(★5個が満点)
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