独断的映画感想文:シビル・ウォー アメリカ最後の日
日記:2024年12月某日
映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」を見る.
2024年.監督:アレックス・ガーランド.
出演:キルステン・ダンスト(リー・スミス),ワグネル・モウラ(ジョエル),ケイリー・スピーニー(ジェシー・カレン),スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン(サミー).
近未来のアメリカ,政府に反旗を翻した西部勢力(WF)・フロリダ同盟所属の19州が分離独立を表明,激しい内戦が勃発する.政府軍は劣勢でワシントンDC陥落は目前となっている.ニューヨークのベテランカメラマン・リーと記者ジョエルは,大統領への直撃インタビューを狙い,リーの師匠である老記者サミーと駆け出し写真家ジェシーを伴って,ピッツバーグからシャーロッツビルを経由しワシントンDCを目指す旅に出る.
水も電気も不足するニューヨークは暴動と衝突が続き,路上には死者が横たわる.途上の街はいずれも無政府状態,略奪者を私刑にしてガソリンスタンドを守る武装地元住民や,反政府民兵に処刑される政府軍捕虜,敵の正体も判らぬままにらみあい撃ちあう狙撃兵たち.途上,合流してきた知り合いのアジア系ジャーナリストとジェシーが,軍服を着た所属不明の武装兵に捕まってしまう….
ジャーナリストの活躍・成長譚を縦軸に構成される映画だが,描かれるのはむき出しの暴力が制圧するアメリカの状況.内戦を戦う正規軍とは別に,無政府状態下,暴力を握るグループが好き放題に好ましくない敵対者・気に入らないマイノリティを殺戮していく.この映画が描く半歩手前の状態までもうアメリカは来ているという感覚が,この映画がヒットする前提にあるのだろう.
ジェシーを守るために,サミーもリーも命を落とす.ジェシーは生き延び野心に燃える戦場カメラマンになって行く.何とも言えない結末に呆然とする.
★★★☆(★5個が満点)
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