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2024/12/02

独断的映画感想文:ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ

日記:2024年12月某日
映画「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」を見る.Vs1
2022年.監督:リー・ダニエルズ.
出演:アンドラ・デイ(ビリー・ホリデイ),トレヴァンテ・ローズ(ジミー・フレッチャー),ギャレット・ヘドランド(ハリー・J・アンスリンガー),ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(ロズリン),ローレンス・ワシントン(ミス・フレディ),ロブ・モーガン(ルイス・マッケイ),ナターシャ・リオン(タルーラ・バンクヘッド),トーン・ベル(ジョン・レヴィ),エリック・ラレイ・ハーヴェイ(ジェームズ・モンロー),タイラー・ジェームズ・ウィリアムズ(レスター・ヤング).Vs5
1947年から亡くなる1959年までのビリー・ホリデイを描く.これ以前に彼女は「奇妙な果実」を歌い人気を博していた.公民権運動への影響を恐れた政府は,ビリーの麻薬癖に目を付け,麻薬取締局長官アンスリンガーは黒人捜査官ジミー・フレッチャーを採用してビリーを逮捕するチャンスをうかがう.1947年彼女は麻薬所持で逮捕され,懲役1年の刑を受ける.出所後ビリーはカーネギーホールでのコンサートを成功させたが,ニューヨークでの労働許可証を没収され,ニューヨーク以外で働かざるを得なかった.Vs4
前夫モンローと別れ彼女はジョン.レヴィにマネージメントを任せるが,彼はビリーの稼ぎをほとんど吸い上げ彼女を暴力で制圧した.アンスリンガーの指示でジョン・レヴィはビリーの部屋着に麻薬を仕込み,そこに捜査官が突入してビリーは逮捕されるが,裁判では証拠不十分で無罪となる.ビリーはその後バンドと共にツアーに出るが,ジミー・フレッチャーはアンスリンガーの指示でそのツァーの後をずっとつけていった.元来ビリーに好意を抱いていたジミーは(ビリーの最初の服役時に,自分が彼女の有罪に関与したことを謝罪していた),そのツァー中に彼女と恋仲になる….Vs2
描かれるビリーの苛烈な人生が心に残る.アンスリンガーは終生彼女を付け狙い,彼女の死の床に乗り込むことまでするが,一方彼女の男たちも彼女を支配し搾取する.ジミーとの関係は唯一対等な男女の恋愛として描かれるが,そのジミーと別れビリーは以前のマネージャー:ルイス・マッケイとよりを戻す.ビリーはジミーに,支配し君臨する男でないと不安だと語るのだ.その中で強い信頼感のもとに共演していた,サックス奏者:レスター・ヤングとの友情は印象的だ.彼はビリーが亡くなる4カ月前に亡くなっている.Vs3
主演のアンドラ・デイはR&Bシンガー,初めての演技経験らしいが素晴らしい存在感,歌もまことに見事で聴きごたえたっぷり.映画は正統派伝記映画ではなく脚色された物語となっているようだが,ビリー・ホリデイの生涯の苦闘は感銘的だった.蛇足:題名は原題通りだが,もうちょっと何とかならなかったのだろうか.長すぎるしイマイチぴんと来ない.
★★★★(★5個が満点)
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