独断的映画感想文:ロスト・キング 500年越しの運命
日記:2025年1月某日
映画「ロスト・キング 500年越しの運命」を見る.
2022年.監督:スティーヴン・フリアーズ.
出演:サリー・ホーキンス(フィリッパ・ラングレー),スティーヴ・クーガン(ジョン・ラングレー),ハリー・ロイド(リチャード3世/ピート),マーク・アディ(リチャード・バックリー).
フィリッパは難病のME(筋痛性脳脊髄炎)を抱えた女性.自宅に同居する2人の息子を,離婚して別居している夫ジョンと共に育てている.仕事はベテランなのに人事で評価されずストレスのたまる日々,息子と一緒に見た「リチャード三世」の舞台に感銘を受け,身体障害ゆえに性格も歪んだと評価されるリチャード三世の生涯に興味を持つ.
仕事も休みがちにリチャード三世の文献を読破し「リチャード三世協会」にも加入するフィリッパ,リチャード三世の墓の場所が不明なことを知り,レスター市の現地調査も行う.墓地となったグレイフライアーズ修道院は今跡形もないが,神聖な場所は空き地のままにされることが多いということを知り,その場所に該当する社会福祉事務所の駐車場で彼女は激しく心を動かされる….
事実に基づく物語であるとそう最初にテロップが出るが,実際は事実に基づいたファンタジーと言って良い.フィリッパのもとには昼も夜もリチャード三世の幻が現れ,彼女を支え励ます.遂に遺骨が見つかったという知らせに現場に急行する彼女を先導して,白馬にまたがったリチャード三世が疾駆するシーンはなかなか素晴らしい.
当初は彼女の発掘プロジェクトを嘲笑し,約束した資金も途中から引き揚げたレスター市の広報課長が,遺骨発見以降はレスター大学に栄誉を独占させるために奔走する姿が描かれる.一方,「新しい恋人」に夢中だった元夫ジョンは,最終的には献身的に彼女を支え続けた姿が描かれ(スチール写真を見ると,結局ジョンが彼女のリチャード三世だったことが示されている),全体としては素敵な仕上がりの映画となった.サリー・ホーキンスが流石の好演.
★★★★(★5個が満点).
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