独断的映画感想文:君たちはどう生きるか
日記:2025年5月某日
映画「君たちはどう生きるか」を見る.
2023年.監督・脚本・原作:宮崎駿.
出演(声):山時聡真(牧眞人),菅田将暉(青サギ・サギ男),柴咲コウ(キリコ),あいみょん(ヒミ),木村佳乃(夏子),木村拓哉(勝一),滝沢カレン(ワラワラ),竹下景子(いずみ),風吹ジュン(うたこ),阿川佐和子(えりこ),大竹しのぶ(あいこ),國村隼(インコ大王),小林薫(老ペリカン),火野正平(大伯父).
空襲による病院の炎上で母親を失った眞人は,軍用機製作に従事する父に従い母の実家に疎開する.その時父はすでに母の妹・夏子と暮らしていて,夏子は身ごもっていた.疎開先の学校の子らに受け入れられなかった眞人は,自らを傷つけ登校をやめてしまう.
屋敷の池に来る青サギは眞人の生活を覗き見し,眞人を屋敷の古い塔に誘う.眞人の大伯父は以前この塔に入ったまま忽然と姿を消し,母は塔の付近で行方不明になったが,暫くして突然元気な姿で現れた.ある日夏子が姿を消す.夏子が塔に向かう姿を見かけた眞人は老女中キリコと共に塔に入り,夏子を探すことになる.
塔から入り込んだ「下の世界」では若きキリコに出会い共に生活するうち,謎の少女ヒミに遭遇する.眞人はヒミの協力を得て夏子を探す中,この世界を創造した大伯父に会うことができた….
本編は,1937年に吉野源三郎が書いた小説「君たちはどう生きるか」が原作ではない.映画の中で亡き母が眞人に送った本の中に「君たちはどう生きるか」が出てくるが,映画の原作は宮崎駿である.
印象的なのは,眞人のまっすぐな性格と行動力だ.わずかにベッドの中で母のために涙を流すシーンがある他は,彼はほとんど感情を露わにすることなく,何事もためらわずに突き進んでゆく.この行動力は母譲りなのか.大伯父が創造し今や風前の灯火となっている「下の世界」の精神を引き継ぎ,夏子とともに元の世界に戻る決意をする過程が,まさに「君たちはどう生きるか」のテーマなのであろう.ジブリ世界らしいエピソードに溢れた好編,次々に展開する内容に最後まで引き込まれそれを楽しんだ.
★★★☆(★5個が満点).
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