独断的映画感想文:キンキーブーツ
日記:2025年6月某日
映画「キンキーブーツ」を見る.
2005年.イギリス.監督:ジュリアン・ジャロルド.
出演:ジョエル・エドガートン(チャーリー・プライス),キウェテル・イジョフォー(ローラ),サラ=ジェーン・ポッツ(ローレン),ジェミマ・ルーパー(ニコラ),リンダ・バセット(メル),ニック・フロスト(ドン),ユアン・フーパー(ジョージ).
イギリスの田舎町ノーサンプトンの伝統ある靴メーカー「プライス社」の跡取り息子チャーリーは,靴製造の技術を仕込まれたが本人の希望はロンドン暮らし.しかし晴れてロンドンに着いたその日に父が亡くなり,チャーリーはやむなく父の後を継ぐことになる.しかも父が隠していた納品先の倒産が明るみに出て,チャーリーは在庫処分のためロンドンへ.その夜チンピラに絡まれていた美女を助けようとしてノックアウトされ,気がつくと美女の楽屋に.美女はドラァグ・クイーンのローラことサイモンだった.ローラは,女性用の靴が自分の体重を支えられず,すぐに壊れると愚痴をこぼす.
ノーサンプトンに戻ったチャーリーは辛い思いで15人の従業員をクビにするが,15番目にクビにした若い事務員ローレンに「ニッチ市場を開拓しろ」と発破をかけられる.そこでチャーリーはローレンを再雇用し,ローラの言っていた丈夫なハイヒールブーツを,『危険でセクシーな女物の紳士靴 (Kinky Boots)』として開発することにする.期待を胸に工場にやって来たローラをコンサルタントとして,チャーリーはブーツの生産に着手するが,従業員は必ずしもその路線に賛同していなかった….
チャーリーはこの新作をミラノの靴見本市に出品する決意を固めるが,従業員の気持ちはなかなか一つにならない.一方チャーリーの婚約者ニコラは,工場を売り払ってその金をもとにロンドン暮らしをしようと主張していたが,チャーリーがミラノ見本市のために自宅まで抵当に入れたことを知って激怒する.しかしニコラは裏で不動産業者とできていた.それを知ったチャーリーは激昂し,ミラノでモデルを務める予定のローラと喧嘩してしまう.この混とん状態のままチャーリーとローレンたちはミラノに行けるのか…?
実話をもとにした映画(らしい).優柔不断のチャーリーがローラとローレンと云う相棒を得てオトコになって行く物語でもあり,プライス社の従業員たちが偏見から目覚める映画でもある.「それでも夜は明ける」の名優キウェテル・イジョフォーの筋骨たくましいドラァグ・クイーンぶりは傑作,彼がステージで歌う懐かしい歌の数々も素敵だ.イギリス流のユーモアも随処にあり,最後に落ち着く大団円は心温まるものだ.なお,この映画をもとに,シンディ・ローパー作詞・作曲で作成されたブロードウェイミュージカルが2013年に上演され,その舞台をシネマ化した映画「キンキーブーツ」が2018年に作成された.ややこしいけどお間違えの無いように.
★★★★(★5個が満点).
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