独断的映画感想文:碁盤斬り
日記:2025年10月某日
映画「碁盤斬り」を見る.
2024年.日本.監督:白石和彌.
出演:草彅剛(柳田格之進),清原果耶(お絹),中川大志(弥吉),奥野瑛太(梶木左門),音尾琢真(徳次郎),市村正親(長兵衛),斎藤工(柴田兵庫),小泉今日子(お庚),國村隼(萬屋源兵衛).
古典落語「柳田格之進」に「文七元結」を少し足して,自分を陥れ妻を死に追いやった旧同僚への仇討ちを本筋に加えた物語.主人公柳田格之進は今は浪人の身,碁の名手で真面目一方,平生は穏やかな人柄だが,不正に対しては容赦のないところがある.共に暮らす一人娘・お絹は,父と二人の貧乏暮らしにも何一つ不平を言わず,縫物で生計を支え父の世話に勤めている.
とあることでやはり碁の好きな萬家源兵衛と知り合った格之進は,源兵衛の屋敷で度々碁を打つようになる.月見の晩に萬家に招待を受けた格之進は,やはり遅くまで碁を打って帰ったが,源兵衛と二人で碁を打っていた部屋から50両が消える事件が起きる….
主人源兵衛に無断で番頭・徳次郎は,手代の弥吉をやって格之進に50両の心当たりを尋ねさせる.疑いを受け一度は切腹を覚悟した格之進だが,そこにかって仕えた旧藩から使者が来て,旧同僚・柴田兵庫が格之進を讒言により陥れたこと,また格之進の妻を凌辱しそのため妻が自害したことが明らかになり,柴田兵庫は逐電したことが知らされる.格之進はお絹を旧知の遊郭の女将・お庚に預け50両の金を作るとこれを弥吉に渡し,長屋を引き払って柴田兵庫の後を追った….
時代劇としての映像や映画の骨格はしっかりしている.草彅剛,清原果耶,中川大志,小泉今日子,國村隼がいずれも期待通りの好演で,見応えあり.プロットがやや隅々にしっくりしないところがあり,映画を見終わった後で,さてあれは何故だったのだろうなどと思いつくことはあったが,映画全体の雰囲気は素敵だ.最終局面での「碁盤斬り」のシーンはなかなかの迫力だった.
★★★☆(★5個が満点)
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