独断的映画感想文:2度目のはなればなれ
日記:2026年1月某日
映画「2度目のはなればなれ」を見る.
2023年.イギリス.監督:オリバー・パーカー.
出演:マイケル・ケイン(バーナード(バーニー)),グレンダ・ジャクソン(レネ),ダニエル・ヴィタリス(アデル),ヴィクター・オシン(スコット),ウィル・フレッチャー(若き日のバーナード),ローラ・マーカス(若き日のレネ).
2014年夏.バーニーは愛する妻レネと共に老人施設で暮らす,89歳の海軍退役軍人.この夏開催される,ノルマンジー上陸作戦70周年記念式典への団体ツアーには,申し込みが遅れ参加できなかった.バーニーはレネの勧めもあって,式典に単独で参加することを決意する.
式典の前日,バーニーはひそかに施設を抜け出し,ドーバー海峡をフェリーで渡ってノルマンジーを目指す.フェリーで友人となった空軍退役軍人のアーサーの世話で,ホテルも確保し式典への参加チケットも手に入れた.一方施設では行方不明となったバーニーの捜索を警察に依頼,89才の退役軍人がノルマンジー70周年の式典めざし単独で出発したというニュースは,瞬く間に全英に広まった….
バーニーはノルマンジーで,自分が参加した作戦地点のソード海岸を目指す.海岸に立ち思い出にふけるバーニー.バーニーには,そしてアーサーには痛切な大戦中の記憶があった.
バーニーはソード海岸を攻撃する強襲艦に乗り組んでいた.知り合いとなった戦車兵のダグラスは怯えきっており,自分の故郷の煙草の缶に恋人への手紙を入れてバーニーに託す.バーニーはダグラスを鼓舞して送り出すが,上陸した戦車はバーニーの目の前で被弾し大破炎上した.一方,アーサーは大陸を空襲する任務に就いており,彼の兄は大陸で負傷しレジスタンスにかくまわれていた.その都市をアーサーの編隊が空襲し,兄は命を落とす.アーサーは,自分が兄を死なせたとのトラウマに苦しんできたのだ.バーニーは強引にアーサーを誘い,共にダグラスとアーサーの兄が眠るバイユーの戦争墓地を訪れる….
映画は若き日のバーニーとレネがめぐり逢い恋に落ちる過程を織り交ぜながら,バーニーの旅を追ってゆく.バーニーがバイユーの戦争墓地で,「皆無駄死にした!」とつぶやくシーンには涙を禁じ得ない.その前に,バーニー達が,同じソード海岸を守備していた旧ドイツ兵の一団と遭遇し,互いに無言で敬礼し合うシーンも感銘深い.
一方,イギリスに帰ってきたバーニーがとんでもない数の取材陣に翻弄され,ほうほうのていでレネの待つ部屋にたどり着いて,二人で同じベッドにもぐりこむシーンがなかなかにユーモラス.マイケル・ケインとこれが遺作となったグレンダ・ジャクソンの,飄々とした演技が素晴らしい.特にマイケル・ケインは,ユーモアをちりばめた老紳士のたたずまいが何とも好ましい.
もう残り少ない日々を過ごしている老夫婦の,時に哀しみを帯びつつもユーモアを忘れずに日々を生きていくラストシーンは,忘れ難かった.
★★★★☆(★5個が満点).
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