独断的映画感想文:サハラ戦車隊(1943)
日記:2026年1月某日
映画「サハラ戦車隊」を見る.
1943年.アメリカ.監督:ゾルタン・コルダ.
出演:ハンフリー・ボガート(ジョー・ガン),ブルース・ベネット(ワコ・ホイト),ロイド・ブリッジス(フレッド・クラークソン),レックス・イングラム(タンブル),J・キャロル・ネイシュ(ジュゼッペ),ダン・デュリエ(ジミー・ドイル),クルト・クリューガー(ドイツ空軍士官).
第2次大戦の北アフリカ戦線.故障のため本隊から落後したM3戦車の米軍兵士3名は,ようやく故障の修理を終え,本体からの撤退命令を受けガン軍曹の指揮のもと南下することになる.その途上,原隊にはぐれ野戦病院にいたハリディ軍医大尉以下5名の英軍兵士・自由フランス軍兵士を,さらにその先でイタリア兵捕虜ジュゼッペを護送中のスーダン兵タンブルを収容する.一行はドイツ空軍の戦闘機に襲撃され,英軍兵士1名が戦死するが,戦車の機銃が接近してきた戦闘機を撃墜,落下傘降下したクリューガーを捕虜にする.
タンブルの案内で井戸のある地点にたどり着くが,そこの水は枯れていた.さらに南下を続ける一行,井戸のある廃村にたどり着く.そこの井戸も枯れているかに見えたが,井戸の底にわずかに滴下する水があり,一行はそこで水を確保するために滞在することになった.一方無線が通じ,トブルクがドイツ軍の手に落ちたことが明らかになる.更にドイツ軍機械化部隊500名が,彼らのあとからやはり水を求めて迫って来ていた.その先遣隊を捉えたガン軍曹は,水と食料を交換するという提案を持たせて独軍兵士を帰らせ,皆と図ってこの廃村で敵を迎え撃つことにし,更に敵から奪った先遣隊のジープでワコを救援要請に走らせた….
水におびき寄せられこの廃村攻略を目指す独軍,甚大な被害を与えながら迎え撃つ兵も一人また一人と倒れてゆく.後年の西部劇「アラモ」を思わせるような展開であるが,陽気な米英兵らは不屈のかつ奇想天外の戦いで,独軍を翻弄する.1943年制作の戦意高揚映画でありながら,よくできたプロット,俳優らの好演で優れたエンタテインメント作品となった.
冒頭の「トブルク陥落」という状況は,1942年6月の出来事で(この時点では米軍戦車隊は,実際には北アフリカ戦線に参戦していない),一方ラストシーンでの「エル・アラメインで独軍を止めた」というのは1942年7月から10月の状況と思われ,本作のプロットは1942年後半の事実をもとに作られ,映画は1943年に公開されたと推定される.内容的にも,独軍士官クリューガーは卑怯冷血でスーダン兵を公然と差別する存在と描かれるが,イタリア兵ジュゼッペは市井の人であり,ヒトラーを非難してクリューガーに殺害される.英軍・自由フランス軍兵士はそれぞれ如何にもその国の人らしく描かれ,移民の国アメリカらしい気遣いが見て取れる.
1942年から43年と云えば,アメリカはヨーロッパと太平洋で独・日と戦いその勝敗の帰趨はまだ見えていなかった時代,アメリカという国のこういう力はたいしたものだと云わざるを得ない.ハンフリー・ボガートが流石の好演,英軍兵士を演じたロイド・ブリッジスは,ジェフ・ブリッジスの父親だそうだ.
★★★★(★5個が満点).
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