独断的映画感想文:遠来 トモベのコトバ
日記:2026年4月某日
新宿K's cinemaへ.映画「遠来 トモベのコトバ」を見る.
2026年.日本.監督:伊勢真一.
出演:友部正人,小野由美子.
ジョン・レノンが亡くなった頃,友部正人はニューヨークにいた豊田勇造からハガキをもらった.そのハガキがきっかけになって,友部正人は「遠来」という唄を作った.友部自身も,子供が成人したことをきっかけに,妻とともにニューヨークに移り住んだ.ドキュメント映画の監督・伊勢真一は,その友部をニューヨークに訪ねて,その暮らしと友部の唄を撮影した.もう10年ほど前の話だ.この5~6年の世界の変化を見ながら,撮影した映像を今映画にしようと決め(その気持ちは何となく判る),この1年ほどで編集したのがこの映画だと,監督は言う.
だからこの映画に出ているのは60代半ばの友部正人だ.ギターを抱えて街を歩き,セントラルパークを散歩し,そこで唄う.ワシントン・スクエア・パークに行き,西岡恭三や高田渡らの骨が埋めてあると云う(本当かしら)大きな木の下で唄う.ニューヨーク・シティ・マラソンに参加し走る.その活動に,唄う唄に,友部のいままでのフォーク歌手としての人生が刻み込まれている.
友部の年を重ねたその声は,唄は勿論詩を朗読するときも魅力的だ.同じ歳の人間として,その魅力には抗し難い.友部が溶け込んでいるニューヨークの街も素敵だ.映画で聞ける曲は,「遠来」,「6月の雨の夜、チルチルミチルは」,「夜は言葉」,「日本に地震があったのに」,「朝の電話」,「一本道」.
最後の曲は友部の代表曲だが,阿佐ヶ谷を舞台にしたこのフォークの名曲を自分も忘れることはできない.友部正人と自分の,この40年ほどを考えるよすがとなりうる映画.映像も美しく,音響の質も上々.見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点).


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