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2026/05/01

独断的映画感想文:お坊さまと鉄砲

日記:2026年5月某日
映画「お坊さまと鉄砲」を見る.1_20260504142301
2023年.ブータン=アメリカ=フランス=台湾.監督・脚本:パオ・チョニン・ドルジ.
出演:僧侶タシ(タンディン・ワンチュク),ラマ(ケルサン・チョジェ),ベンジ(タンディン・ソナム),ロン(ハリー・アインホーン),選挙委員ツェリン(ペマ・ザンモ・シェルパ).2_20260504142301
2006年ブータンのウラ村,折しもブータン初の総選挙を控え,その模擬選挙の準備で村は大騒ぎ.国王陛下ワンチュク4世が,立憲民主制への移行と自身の退位を発表したのだ.選挙管理委員のツェリンは投票率の向上を目指し,必死の宣伝活動に歩き回っている.一方そのニュースを聞いた村のラマは,「物事を正すため」若い僧侶タシに満月の日までに2丁の銃を準備するように言いつける.タシはびっくり,しかしラマの命令は絶対だ.村中を探して銃の持ち主を探す.
その頃アメリカの銃収集家ロンはウラ村に古い銃があると聞き,ガイドのベンジーと共にウラ村にやってくる.銃の持ち主ペンジョーに会うと,銃は果たして南北戦争時代の逸品だった.ロンが7万ドル出すと云うとペンジョーは仰天,もっと安く買ってくれと懇願する.話は結局3万ドルでまとまり,金を用意して翌日取引することになり,二人は一旦帰る.入れ替わりにペンジョーを尋ねあてたタシ,ラマが銃を求めていると聞くと,ペンジョーはその場でラマに銃を供物として捧げると申し出た.模擬選挙の行方はどうなるのか.ラマが銃を求める理由は何か?銃は誰のものになるのか?….3_20260504142301
村は初めての選挙をめぐって騒然としている.小学生のユペルは父が新興実業家を公然と支持したので,保守派の支持者を親に持つ子どもたちからいじめられ,おまけに多忙な父が消しゴムを買い忘れたため先生に叱られるなど,苦難の日々を送っている.ツェリンの助手を務めるユペルの母は,そんなユペルを心配し選挙は本当にみんなの幸せにつながるものなのかと,ツェリンに訴える.4_20260504142301
ブータンの山深い村の朴訥な人々を巻き込んだ大騒動の顛末.国王の意を汲みブータンの近代化民主化に取り組む人々,「物事を正すため」に渾身の祈りをささげるラマ,この映画の登場人物には悪い人は(ほとんど)出てこない.5_20260504142301
また,ところどころに差し込まれる風刺精神も面白い.例えば,選挙管理委員は選挙は意見を戦わせる場だと云い,模擬選挙では赤か青かの対決を演出するが,開票して見れば第3の色である黄色が圧倒的多数だった.黄色は国王陛下の色なのだ.映画最後の着地点もほのぼのとしたハッピーエンドで癒される.見て損はないブータンの物語.
★★★★(★5個が満点)


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