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2026/06/13

独断的映画感想文:夏の砂の上

日記:2026年6月某日
映画「夏の砂の上」を見る.1_20260619152801
日本.2025年.監督・脚本:玉田真也.
出演:オダギリジョー(小浦治),高石あかり(優子),松たか子(小浦恵子),森山直太朗(陣野),高橋文哉(立山),篠原ゆき子(陣野の妻),満島ひかり(阿佐子),光石研(持田).3_20260619152801
猛暑続きで断水にまで至っている夏の長崎,小浦治のもとに妹・阿佐子が17歳の娘・優子を連れてやってくる.博多で男が出した金でスナックを開くため,しばらく優子を預かってくれというのだ.治があっけにとられるうちに強引に優子を置いて去ってゆく阿佐子,突然治と優子との二人の生活が始まる.2_20260619152801
治はかって幼い息子を事故で亡くし,以来無気力な日々を送っている.不況で勤めていた造船所は倒産した.妻・恵子は治を見限り,治の若い同僚・陣野と暮らしている.治は溶接工にこだわっているが,治の年齢では容易に仕事を見つけることはできない.優子は高校へは行かずスーパーでアルバイトを始めるが,そこの先輩アルバイト・立山が声をかけてくる….
時代の波に翻弄され周囲の人たちに置いてきぼりを喰っている治と,親に放任され人にも仕事にも関心を持たない優子との,ひと夏の物語.じりじり照り付ける太陽,転職後の過労で命を落とすかっての同僚,若い陣野は他県の造船所に職が決まり恵子は彼についてゆくという.その中で治と優子は徐々に心を通い合わせてゆく….4_20260619152801
松たか子,満島ひかり,光石研が出ているがいずれも脇役(それぞれ存在感はあるけれど).この映画はオダギリジョーと高石あかりの映画だ.特に高石あかりが面白い.無表情だった優子が一転,顔をくしゃくしゃにして治と笑い興じる土砂降りのシーンが印象的.5_20260619152801
物語は特にハッピーエンドという訳ではない.治は離婚届に判を押し恵子は去り,優子は突然帰ってきて今度はカナダに行くと言う阿佐子に連れられ無表情のまま去ってゆく.しかし優子と治は何かが変わった様だ.別れ際に優子にもらった帽子を頭に載せ,灼熱の坂道をぶらぶら歩いてゆく治のラストシーンが心に残る.映画らしい映画.
★★★☆(★5個が満点).


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