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2026/09/02

独断的映画感想文:かなさんどー

日記:2026年9月某日
映画「かなさんどー」を見る.1_20260905220301
2024年,日本.監督・脚本:照屋年之.
出演:松田るか(赤嶺美花),堀内敬子(赤嶺町子),浅野忠信(赤嶺悟).
映画の冒頭,紅い口紅を塗って盛装し施設の赤嶺悟を訪れる若い女.認知症の悟を連れて出かけ,公園でブランコに乗って見せ,海岸でデートし,工場で重機に乗って結婚の記念写真を撮る.2_20260905220301
赤嶺美花は母町子が病死した時に,いくたびもかけた電話に出ず飲んだくれていた父が許せず,島を出て7年間東京で暮らしていた.父が認知症で余命も短いと連絡を受け,しぶしぶ帰郷し家に戻る.父は施設で暮らしていたが,美花の顔を見て「町子…」と呟いた.美花は父を許す気にはなかなかなれなかったが,父を今でも慕う以前の従業員たちや,実家にあった母の日記を読み,仲睦まじかった父と母の在りし日を思い出す….3_20260905220301
ガレッジセールのゴリとしても活躍するこの監督のヒューマンドラマ.登場人物は美花と両親の他は旧従業員たちだけ,いかにも狭いフィールドで変化していく美花の心情を描いていて,尺も86分と短く,寓話的映画と言って良いかもしれない.物語の中心は町子と美花の親子である.悟の飲んだくれ生活にもかかわらず,真知子が如何に悟を愛したか,そのために毎朝悟のために化粧しきちんとした服で装う.自分の持病もありながら,体をいとわず悟のために料理し,世話をし,尽くさずにはいられない.4_20260905220301
一方美花は父を非難しつつ,父に甘い母にも批判の矢を向けるが,父が母と結婚するためにどれだけ奔走したかを母に聞き,二人の愛も理解するようになるのだが….冒頭のシーンが何だったのかは,ここから明らかになる.5_20260905220301
松田るかと堀内敬子の演技が素晴らしく,柔らかく愛情に満ちた町子と,感情豊かで気っぷのいい美花の親子関係が印象に残った.この映画はこの俳優二人を見る映画だ.それ以外のことにはあまり説明はなされず,突っ込みたいところも幾つもあるが,全体としては好印象の映画.
★★★☆(★5個が満点)


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