2019/04/05

独断的映画感想文:娼年

日記:2019年4月某日
映画「娼年」を見る.1_9
2017年.監督:三浦大輔.
出演:松坂桃李(森中領),真飛聖(御堂静香),冨手麻妙(咲良),猪塚健太(平戸東),小柳友(田島進也),西岡徳馬(泉川),江波杏子(老女).
森中領は一流大学に入りながら大学生活に興味が持てず,バーテンダーのバイトに精を出す虚無的な生活を送っている.ふとしたことで知り合った御堂靜香に娼夫としてスカウトされ,セックステストを受けることになるが,相手は靜香の娘・咲良だった.2_8
咲良相手のセックスで辛うじて合格した領は,意外にも年上の顧客に好評で,様々な相手とのセックスに思わぬ興味を惹かれる様になる….
自分のアイデンティティを娼夫という場で見出す青年の物語.全編ほぼセックスシーンというポルノグラフと言って良い映画だが,松阪桃李の演技はそれなりに筋が通っていて映画を成立させている.真飛聖も魅力的.4_6
★★★(★5個が満点)

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独断的映画感想文:ナラタージュ

日記:2019年4月3日
映画「ナラタージュ」を見る.1_8 2017年.監督:行定勲.
出演:松本潤(葉山貴司),有村架純(工藤泉),坂口健太郎(小野怜二),瀬戸康史(宮沢慶太),市川実日子(葉山美雪),大西礼芳(山田志緒),古舘佑太郎(黒川博文),神岡実希(塚本柚子),駒木根隆介(金田伊織),金子大地(新藤慶).2_7 映画の冒頭は夜のオフィスで一人残業中の泉,外は雨である.雨を眺めて追憶にふける泉.
大学生時代の泉は,高校時代の恩師葉山の呼び出しを受け,所属していた演劇部の学園祭上演の助っ人に入ることになる.そこでやはり助っ人の一人小野怜二と出会うが,泉には葉山への断ちがたい思いがあった.大学生の泉は高校時代の葉山と自分の関係を追憶する….3_6 という訳で追憶されている本人が追憶にふけるというややこしい映画.高校卒業時に自分の思いを葉山に伝えた泉だが,葉山には別居中の妻があり泉の思いは受け止められなかった.泉はその思いを抱えたまま一旦小野怜二と付き合うが,やはり葉山のことを諦めきれない.学園祭劇の稽古が続く中泉の思いは揺れ動く….
なかなか結論の出ないぐだぐだの恋愛劇が延々と続く.140分はなんぼ何でも長すぎる.俳優は松潤の葉山先生がひどすぎて映画にならない.
舞台はどうも富山県のようだが,誰も富山弁らしい人がいないのでどこか架空の国の映画の様だ(その割にはクレジットに方言指導という人が書いてある.誰に何を指導したのか?).4_5 葉山先生が突然自分の私生活を生徒(泉)相手にしゃべったり,小野怜二の実家が突然舞台となったりするのに,泉の生い立ち・家庭状況は一切分からず,このバランスにも違和感を感じる.
共感できず映画に入り込めない.
★☆(★5個が満点)

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独断的映画感想文:ラ・ラ・ランド

日記:2019年4月某日
映画「ラ・ラ・ランド」を見る.1_10
2016年.監督:デイミアン・チャゼル.2_9
出演:ライアン・ゴズリング(セバスチャン(セブ)),エマ・ストーン(ミア),ジョン・レジェンド(キース),ローズマリー・デウィット(ローラ),ソノヤ・ミズノ(ケイトリン),J・K・シモンズ(ビル),フィン・ウィットロック(グレッグ).4_7
女優を目指すミアは,毎日オーディションを受けながらなかなか芽が出ない.或る日ピアノの音に惹かれて訪れた酒場で出会ったセブ,彼は自分の思い通りのジャズを客に聴かせる店を作る為,悪戦苦闘していた.
やがて恋に落ちた二人,ミアは一人芝居の自作自演に挑み,一方セブは不本意ながら商業主義的バンドのキーボードとして売れ始める.それぞれに挫折と将来への不安を抱く二人だったが….3_7
この映画は冒頭の,渋滞するハイウェイで見渡す限りの車のボンネット上で踊り狂う人々の,群舞のシーンにまず圧倒される.その後も狂騒的な群舞シーンが繰り返され,自分などはすっかり嫌気が差してくる頃に,ミアとセブの出会いと恋の物語がようやく始まるのだ.
ところが一旦ミアとセブの物語になると,映画はすっかり落ち着いて,歌はバラードになり,これにセブの美しいピアノ,ジャズコンボの演奏が寄り添っていく.この後は安心してドラマを楽しむことが出来る.しかもそのドラマはハッピーエンドではないほろ苦い人生のドラマだ.どうして感動しないでいられよう.5_4
楽曲としてはミアの歌う「オーディション」,ミアとセブが繰り返し歌う「シティ・オブ・スター」が素晴らしい.主演の二人は魅力充分,監督の前作「セッション」でジャズマンとしての圧倒的存在感を見せつけたJ・K・シモンズが,セブのジャズを否定する店主の役で顔を出すのはご愛敬.6_2
最後に出会った二人が,もしこうであったら別な人生が開けていただろうかという一瞬の夢を見るエピローグが,切なくて哀しい.見て損はなし.
★★★★(★5個が満点)
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2019/04/02

独断的映画感想文:天国でまた会おう

渋谷ユーロスペースで映画「天国でまた会おう」を見る.1_7 2017年.監督:アルベール・デュポンテル.原作:ピエール・ルメートル.
出演:ナウエル・ペレス・ビスカヤール(エドゥアール・ペリクール),アルベール・デュポンテル(アルベール・マイヤール),ロラン・ラフィット(プラデル),ニエル・アレストリュプ(マルセル・ペリクール),メラニー・ティエリー(ポリーヌ),エロイーズ・バルステ(ルイーズ),ジル・ガストン=ドレフュス(市長),フィリップ・ウシャン(区長),アンドレ・マルコン(憲兵),ミシェル・ヴュイエルモーズ(ジョゼフ・メルラン),キヤン・コジャンディ(デュプレ).4_4 1920年モロッコのフランス軍憲兵隊.逮捕されたアルベールの長い陳述が始まる.
1918年第1次大戦の西部戦線,休戦の指示を握りつぶしたプラデル中尉は部下に突撃を命令,アルベールはプラデルの悪事の証拠を目撃したため砲弾の穴に突き落とされ生き埋めになる.年若い戦友のエドゥアールに命を救われるが,エドゥアールは顔に重傷を負う.
野戦病院で意識を取り戻したエドゥアールは自身の顔の損傷を知り,また厳格な父に自分の画才を認められず確執があったため,自分は戦死したことにしてくれるようアルベールに懇願する.アルベールは書類をすり替え,エドゥアールは別人として生きることになる.3_5 二人はパリに戻ったが世間は復員者に冷たく,アルベールは経理係の仕事に復職できずサンドイッチマンとして糊口をしのぐ.エドゥアールは自らデザインした仮面をかぶることで自信を取り戻し,戦死者記念塔設立のデザインを請け負い,制作はしないで逃げるという詐欺で,国家に仕返しすることを考える.一方政界の実力者でもあるエドゥアールの父は,息子の死を悼み自分の街に戦死者記念塔を設立しようとするが,その娘婿にプラデル中尉が潜り込んでいた….
日本でも人気の推理小説作家ルメートル原作の映画,なかなか複雑なプロットだがテンポ良く映画は進む.
二人の戦争への思い,エドゥアールの父との確執,アルベールのプラデルへの復讐がもつれ合って進行するが,エドゥアールのバラエティ豊かな仮面の着用や,只一人エドゥアールの発する音声を言語に通訳できる少女ルイーズの登場など,物語は豊かな展開を見せる.2_6 敵役のプラデルが詐欺師としての二人を次第に追い詰めていく過程や,終盤の悲劇的な経過は見応えあり.最後のどんでん返しは,ルメートルならではと思わせる.見て損はなし.
★★★☆(★5個が満点)
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2019/03/31

独断的映画感想文:ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

日記:2019年3月某日
映画「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」を見る.1_6 2017年.監督:スティーヴン・スピルバーグ.
出演:メリル・ストリープ(キャサリン・グラハム),トム・ハンクス(ベン・ブラッドリー),サラ・ポールソン(トニー・ブラッドリー),ボブ・オデンカーク(ベン・バグディキアン),トレイシー・レッツ(フリッツ・ビーブ),ブラッドリー・ウィットフォード(アーサー・パーソンズ),アリソン・ブリー(ラリー・グラハム・ウェイマウス),ブルース・グリーンウッド(ロバート・マクナマラ),マシュー・リス(ダニエル・エルズバーグ).5_3 1966年.ベトナムの前線を視察したダニエル・エルスバーグは,自身の米軍不利のレポートを上司マクナマラ国防長官が採用したにもかかわらず,対外的には米軍有利と発表したことに失望,秘密文書の外部持ち出しとコピーを始める.
一方ワシントンポストの女性社主キャサリン・グラハムは,父の死後同社を引き継いだ夫フィリップが自殺したのち1969年に同社主に就任した.1971年,彼女は役員の勧めによりポスト紙の株公開に打って出る.
この頃ニューヨーク・タイムスはベトナム秘密文書(ペンタゴン・ペーパーズ)の内容暴露の記事を発表,アイゼンハワー大統領時代から引き続いて国民を偽ってベトナム戦争を拡大してきたその内容はセンセーションを巻き起こす.ニクソン政権は直ちに機密保護法違反で記事の差し止めを命じる.
一方ポスト記者のベン・バグディキアンは旧友ダニエル・エルズバーグとの連絡に成功,ペンタゴン・ペーパーズの全文を入手,ポスト紙はその資料に基づく記事を作成し,掲載紙の発行許可をキャサリンに求める.株式公開直後のこの状況にキャサリンは決断に苦しむが….6_1 本作は報道の自由と国家のつく嘘を巡る極めてスリリングな政治ドラマである.その一方で,父と夫へのコンプレックスに苦しむ一女性の自己の確立と決意の物語でもある.
それを演じるメリル・ストリープの演技はどうだ.彼女が電話会議で掲載の最後の決断を下す場面,キャサリンの胸の動悸とあえぎが観客に聞こえてくる様である.メリル・ストリープの名演に敬礼するばかり.映画はラストシーンをニクソン政権の命運にかかわる別の事件のプロローグに繋げて終わるが,この演出も心憎い.4_3 この映画を現代の日本の新聞社は正視する勇気があるだろうか?某大新聞社の映画コラムで本作を取り上げているが,まるでエンタテインメント映画一般の取り上げ方で,我が身を省みる気配は皆無.さすがと寒心した次第であった.
★★★★☆(★5個が満点)
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独断的映画感想文:探偵はBARにいる3

日記:2019年3月某日
映画「探偵はBARにいる3」を見る.1_5
2017年.監督:吉田照幸.
出演:大泉洋(探偵),松田龍平(高田),北川景子(マリ),前田敦子(諏訪麗子),鈴木砂羽(モンロー),リリー・フランキー(北城仁也),田口トモロヲ(松尾),志尊淳(波留),マギー(源),安藤玉恵(峰子),正名僕蔵(教頭先生),篠井英介(フローラ),松重豊(相田).2_4
探偵の相棒・高田から,後輩の彼女・麗子が行方不明になったので探して欲しい旨の依頼が来る.麗子のバイト先を突き止めた探偵は,そのモデル事務所実は風俗店を訪れ麗子の名前を出す.
事務所はシラを切り,翌日探偵と高田はやくざに袋だたきにされるが,事務所の女所長マリに救われる.事件はやくざ2グループ間での覚醒剤争奪と絡む殺人事件に関連し,麗子はその目撃者であることが分かる.事務所のオーナー北城が一方のやくざの頭目であることが分かるが,探偵はマリに昔会った記憶があった….5_2
札幌を舞台とする人気シリーズ3作目.全2作に比べるとB級感が弱くなり薄味になった感じが否めない本作.探偵はバーにいると言ってもそのバーの映画における存在感もまた薄い.4_2
話は一応なるほどと思ったけれど,今までのやんちゃ感は何処に行ったのか.前田敦子や志尊淳が出ている割には話への絡み方がさほどでもない.マリの犯罪動機も(あれ?これはネタバレかな?)到底通用しない話で,受け容れ難い.
その場限りの娯楽作品という感じ.3_3
★☆(★5個が満点)
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2019/03/24

独断的映画感想文:運び屋

日記:2019年3月某日
TOHOシネマズ新宿で映画「運び屋」を見る.6
2018年.監督:クリント・イーストウッド.出演:クリント・イーストウッド(アール・ストーン),ブラッドリー・クーパー(コリン・ベイツ),ローレンス・フィッシュバーン(DEAエージェント),マイケル・ペーニャ(トレヴィノ),ダイアン・ウィースト(メアリー),タイッサ・ファーミガ(ジニー),アリソン・イーストウッド(アイリス),アンディ・ガルシア(レイトン).
アールは退役軍人,ユリの栽培に没頭し品評会でも賞を取るが家族は顧みず,妻メアリーとは離婚し結婚式をすっぽかした娘アイリスは12年間口をきいてくれない.2_3
ところがインターネット販売に押され彼のユリ園は破産,アールは孫ジニーの婚約式で出会った若者に誘われ,荷物の運搬を引き受ける.当初はその中身を知らなかったが,ドラッグと知っても臆さず運び続けるアール.ジニーの結婚式の2次会費用をプレゼントしたり,焼失した退役軍人会館の厨房の再建費用を負担したりする.
交通違反の履歴一つなく高齢の退役軍人であるアールは,ノーマークで大量のドラッグを陸送し続けるが,やがて麻薬取締局DEAのベイツ捜査官の手が迫ってくる….
アールという人物が元気で茶目っ気たっぷり,言いたいことを言い度胸もあるというその魅力がまず楽しい.親分のレイトンは,アールが好き勝手に道を変えたり寄り道したりすることを,却って足が付かないから良いと支持するが,現場の見張り役は気が気ではない.その見張り役も,アールの車につけた盗聴器を通じて流れてくるラジオ音楽とそれに合わせて鼻歌を歌うアールの機嫌良さに,思わず一緒に歌い出すというシーンが可笑しい.3_2
アールの最大の関心事は,DEAの追及でもなければ組織の締め付けでもなく,家族の絆の再構築にある.アールがベイツ捜査官と朝の珈琲を飲みながら話すシーン(ベイツはアールが目指すホシだとはまだ気付いていない),ベイツが家族の記念日を失念していたらしいのを知ったアールが,「家族が何よりも大切だ,自分はそれに失敗した」と説教する場面は印象的.メアリーとアールの和解のシーンも感銘的だ.4_1
ドラッグが犯罪という概念をある種飛び越えたところで,アールの人生・家族との絆のドラマが展開することが面白い.イーストウッド映画らしく音楽も相変わらず良い.エンドロールで流れる「年を忘れよう」という内容の唄も魅力的.とにかくイーストウッドを見るのが楽しい,見て損はなし.1_4
★★★★☆.
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2019/03/22

独断的映画感想文:グリーンブック

日記:2019年3月某日
TOHOシネマズ新宿で映画「グリーンブック」を見る.0
2018年.監督:ピーター・ファレリー.
出演:ヴィゴ・モーテンセン(トニー・“リップ”・バレロンガ),マハーシャラ・アリ(ドクター・ドナルド・シャーリー),リンダ・カーデリーニ(ドロレス・バレロンガ),ディミテル・D・マリノフ(オレグ),マイク・ハットン(ジョージ).
1962年のアメリカ,トニーは腕の立つ用心棒兼運転手.勤めていたN.Y.のコパカバーナが改装閉店したため,新しい職を探す.紹介されたのは黒人ジャズ演奏家ドクター・シャーリーのツアー運転手,8週間かけて南部を演奏旅行するという.渋るトニーをシャーリーは好条件で説き伏せ,2人のロードムービー・友情物語が始まる.3_1
シャーリーは幼くして才能を見出され留学したピアニスト,しかしクラシック界では黒人は受け入れられないとジャズに転身し,今はカーネギー・ホールの階上に住む成功者だ.しかし彼には南部ツアーを成功させたい理由があった.2_2
旅は様々な軋轢を含みながら始まるが,二人は次第に理解し合いうち解けて行く.トニーが車の中でのお喋りや煙草をシャーリーに押さえ込まれるシーンや,シャーリーがトニーの勧めで初めてケンタッキーフライドチキンを食べるやり取りは傑作.トニーは粗野で下品なイタリア系だが,妻を愛し仕事を選ぶしっかり者だ(失業中にマフィア系の仕事を断るシーンがある).4
何より素晴らしいのは,トニーが音楽を理解し(さすがイタリア人)アーティストに敬意を抱くことだ.最初にシャーリーのトリオの演奏を聴いた時のトニーの表情はどうだろう.トニーはアーチストにとって契約がどういうものかを理解しているし,その為に自分がするべきことも心得ている.必ずスタンウェイピアノを確保するという契約を守らせるために,トニーは身体を張るのだ.こういうことが2人の信頼を育んでいく過程を,観客は確認することが出来る.5
音楽も素晴らしい.この時代のヒット曲が矢継ぎ早に流れる一方で,ツアーの公演ではシャーリー・トリオの素晴らしいジャズを聴くことが出来る.終盤のブルースハウスで,シャーリーがショパンのエチュードイ短調をド迫力で弾いた後,ブルースマン達と繰り広げるセッションは圧巻.映画の面白さ,感動を充分味わうことの出来る好編,お勧めです.1_3
★★★★☆.
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2019/03/08

独断的映画感想文:ショーシャンクの空に

日記:2019年3月某日
映画「ショーシャンクの空に」を見る.1_3
1994年.監督:フランク・ダラボン.
出演:ティム・ロビンス(アンディ),モーガン・フリーマン(レッド (エリス・ボイド)),ウィリアム・サドラー(ヘイウッド),ボブ・ガントン(ウォーデン・サミュエル・ノートン),ジェームズ・ホイットモア(ブルックス・ヘイトレン),クランシー・ブラウン(バイロン・ハドリー),ギル・ベローズ(トミー・ウィリアムズ),マーク・ロルストン(ボッグス・ダイアモンド).5_3
銀行副頭取だった青年:アンディは妻とその愛人殺しの容疑で逮捕され,無実を主張するが終身刑の判決を受け服役する.当初は人を寄せ付けなかったアンディだが,「調達屋」のレッドとはうち解け,やがて穏やかな人柄と税務会計能力を発揮して,囚人のみならず看守からも一目置かれる存在となる.3_3
その能力を認められ図書係となるが,所長は自分の汚職の会計係として彼を使う様になる….
不条理な状況下でも自分を見失わず,希望を持ち続けたアンディの物語.
自分の能力を発揮して洗濯係から図書係,所長の会計係と処遇を改善していったアンディだが,自分の無実を証明する手掛かりが見えた時,最も残酷な運命が待っていた.それを彼は如何に突破し得たのか.
6
「希望」とは何を礎とするのかを,改めて考えさせる映画である.
ティム・ロビンス・モーガン・フリーマンの演技が素晴らしい.刑務所暮らしの彼等の日常と時折訪れる希望と絶望が間断することなく表現されて,全体のテンポも良く最後まで一気に見ることが出来る.
所長役のボブ・ガントン,看守役のクランシー・ブラウン,老懲役囚のジェームズ・ホイットモアも印象に残った.
2_3
終盤,レッドが仮釈放後バクストンで樫の木を目指すシーンでの音楽が,心に染み入って美しい.映画らしい映画,文句なし.
★★★★☆(★5個が満点)
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独断的映画感想文:金子文子と朴烈

日記:2019年2月某日
映画「金子文子と朴烈」を見る.00_2
2017年.監督:イ・ジュンイク.
出演:イ・ジェフン(朴烈(パクヨル)),チェ・ヒソ(金子文子),キム・インウ(水野錬太郎),山野内扶(布施辰治),キム・ジュンハン(立松懐清),金守珍(牧野菊之助).1_2
東京で人力車夫として生計を立てる朴烈は無政府主義者,朝鮮人を中心とした無政府主義者の結社「不逞社」の一員である.彼等が根城にする岩崎おでん屋の女給・金子文子は,朴烈の詩「犬ころ」に共感,朴烈と同棲をする.
この頃朴烈は上海から爆裂弾の購入を企図,また自作の爆裂弾も試作するが,いずれも失敗に終わる.3_2
関東大震災が起こると,朝鮮人による井戸への毒薬投入・暴動の噂が流れ,自警団による朝鮮人殺しが横行,また警察による予防検束が行われる.
朴烈・金子文子も逮捕されるが,爆裂弾購入に関与した一員が朴烈の名前を出し,また二人が「やるなら皇太子(昭和天皇裕仁)である」との考えを示したため,両名は大逆罪で起訴されることになる.これは朝鮮人虐殺の批判をかわすための,内大臣の方針でもあった.

4_2
二人は死を賭して,大逆罪裁判での弁論にその主張を訴えることを選択する….
骨太の歴史映画である.
根拠も脆弱な大逆罪起訴にあえて身を投げ入れる両名,無為な死としか見えない行為は,彼等としては命をかけた闘いである.若いアナーキスト二人の,その闘いでの生命力溢れる描写が誠に印象的だ.5_2
特にイ・ジェフン演じる朴烈,チェ・ヒソ演じる,金子文子の魅力はどうだろう.文子は裁判判決時に未だ23歳,その政治主張はいかにも生硬だが,朴烈に対する愛情のひたむきさには心を打たれる.イ・ジェフンの朴烈も素晴らしい存在感.他にキム・ジュンハン演じる立松懐清等が印象的だった.
コンチネンタルタンゴを思わせる主題歌を始め音楽も素晴らしい.映画として見応え充分,お勧めである.
★★★★☆(★5個が満点)
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