独断的映画感想文:今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は
日記:2026年7月某日
映画「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」を見る.
2025年.日本.監督・脚本:大九明子.
出演:萩原利久(小西徹),河合優実(桜田花),伊東蒼(さっちゃん),黒崎煌代(山根),安齋肇(マスター),浅香航大(さっちゃんの父),松本穂香(夏歩),古田新太(佐々木).
徹は祖母の死後半年ほど大学を休学していた.久しぶりに登校し,唯一の親友山根と再会する.また,大学正門前のカフェの看板犬さくらとも再会する.一方,同じ講義に出ている桜田花に興味を持つ.夜には同じく休んでいたバイト先の銭湯「七福温泉」に行き,主人やバイト仲間のさっちゃんと再会する.
桜田花とはとあるきっかけから知り合うようになり,彼女がさくらのいるカフェでバイトしていることも知る.友人のいない者同士のおずおずした付き合いが始まり,偶然にもいろいろ共通点を持つことを知る二人.その日は構内にある関西大学初の女子学生・北村兼子氏の展示を見たり,夕方また偶然にも再会して阪急電車に乗って水族館に行ったり,その後ボーリングをしたりしているうちに朝となる.二人は老マスターのいる古い喫茶店で朝食を取る.一方ある夜,徹はバイト仲間のさっちゃんに付き合い始めている人がいることを悟られてしまうが,その翌日からさっちゃんはバイトに来なくなった.更に朝いつもの喫茶店で会い,午後の再会を約束していた桜田花も,その日から忽然と姿を消す….
大学の2回生というから19歳か20歳の男女の不器用な交友の進展を,既に25~6歳の萩原利久と河合優実が,見ていて痛さを感じるほどうまく演じている.更にこの映画は後半で,さっちゃん,桜田花,徹のそれぞれが5分から8分ほどの長い長い独白をするシーンがあり,その各シーンもまことに感銘的.本作はこの3人の俳優を見る映画と言って過言ではない.
舞台となる関西大学も懐かしく,また桜田花とさっちゃんの関西弁も(伊藤蒼は大阪出身だから当たり前として)ツボにはまった巧みさで,これも印象的だった.脇を固める黒崎煌代,古田新太や安齋肇もいずれも素敵だ.
本作を回転していくネタの一つはセレンディピティ(素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見したりすること)だが,恋愛が始まるときのドキドキする前半のそれと,後半のそれとの異なった味わいも面白かった.スピッツの「初恋クレージー」をはじめとする音楽の扱いも好ましい.見応え・手ごたえ充分の映画.
★★★★(★5個が満点).












































最近のコメント