2018/01/27

番外:独断的歌舞伎感想文 新橋演舞場初春歌舞伎公演「天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)/口上(こうじょう) 市川海老蔵/新歌舞伎十八番の内 鎌倉八幡宮静の法楽舞

日記:2018年1月某日Shinbashi_201801f3_7a44ba5f1bf2295d
新橋演舞場の初春歌舞伎公演Aプロを見る.
「一、天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし) 中村獅童宙乗り相勤め申し候 宗観館より梅津邸奥庭まで」.四世鶴屋南北 作.今井豊茂 補綴・演出.出演:天竺徳兵衛・斯波左衛門・座頭徳市(獅童),細川政元・吉岡宗観(右團次),梅津奥方葛城(笑也),宗観妻夕浪(吉弥),銀杏の前(児太郎),山名時五郎(弘太郎),梅津掃部(九團次),奴鹿蔵(松江),佐々木桂之介(友右衛門),足利義政(海老蔵).「二、寿初春 口上(こうじょう) 市川海老蔵「にらみ」相勤め申し候」.出演:海老蔵.「三、新歌舞伎十八番の内 鎌倉八幡宮静の法楽舞(かまくらはちまんぐうしずかのほうらくまい)」.九世市川團十郎生誕百八十年.松岡亮 作.出演:静御前・源義経・老女・白蔵主・油坊主・三途川の船頭・化生(海老蔵),蛇骨婆(吉弥),従僧方便坊(九團次),従僧普聞坊(廣松),姑獲鳥(笑三郎),忍性上人(右團次).
天竺徳兵衛は贔屓の獅童が主演,大病後の獅童が声も良く出て宙乗りもやり,嬉しかった.
静の法楽舞は舞台構成音曲ともよく練られていて素晴らしく,海老蔵の早変わりも見事.
正月恒例の海老蔵の口上,よーく睨んで貰ったので今年は安泰(の筈).
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番外:独断的歌舞伎感想文 国立劇場平成30年初春歌舞伎公演「世界花小栗判官(せかいのはなおぐりはんがん)」

日記:2018年1月3日H3001kabukiomote
国立劇場平成30年初春歌舞伎公演「通し狂言 世界花小栗判官(せかいのはなおぐりはんがん) 四幕十場」を見る.
発端 (京)  室町御所塀外の場.序幕<春> (相模)鎌倉扇ヶ谷横山館奥庭の場,同 奥御殿の場,江の島沖の場.二幕目<夏> (近江)堅田浦浪七内の場,同 湖水檀風の場.三幕目<秋> (美濃)青墓宿宝光院境内の場,同 万屋湯殿の場,同 奥座敷の場.大詰<冬> (紀伊)熊野那智山の場.
近松徳三・奈河篤助=作『姫競双葉絵草紙』より,尾上菊五郎=監修,国立劇場文芸研究会=補綴,国立劇場美術係=美術.
出演:尾上菊五郎,中村時蔵,尾上松緑,尾上菊之助,坂東彦三郎,坂東亀蔵,中村梅枝,中村萬太郎,市村竹松,尾上右近,市村橘太郎,片岡亀蔵,河原崎権十郎,坂東秀調,市村萬次郎,市川團蔵,坂東楽善.
お正月らしい華やかな舞台が印象的,梅枝・右近の若手女形も美しい.一方,浪七内の場での片岡・板東の両亀蔵と市村橘太郎のやり取りが抱腹絶倒である.
菊五郎,松緑,菊之助が流石に見応えのある芝居で,大詰めまで楽しめた.
冨司純子様はじめとする寺島一家,山川静夫さんの顔も拝めて,今年も良いスタートなり.

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2018/01/03

番外:独断的歌舞伎感想文 国立劇場12月歌舞伎公演 今様三番三/通し狂言 隅田春妓女容性(すだのはるげいしゃかたぎ)

日記:2017年12月某日
国立劇場で12月歌舞伎公演を見る.H2912kabukihon2omote
「今様三番三(いまようさんばそう)」.大薩摩連中,長唄囃子連中.「通し狂言 隅田春妓女容性(すだのはるげいしゃかたぎ) 三幕九場 ―御存梅の由兵衛― (ごぞんじうめのよしべえ)」.並木五瓶=作 国立劇場文芸研究会=補綴.国立劇場美術係=美術.序幕 柳島妙見堂の場,同  橋本座敷の場,同 入口塀外の場.二幕目 蔵前米屋店先の場,同 塀外の場,同 奥座敷の場,本所大川端の場.大詰 梅堀由兵衛内の場,同 仕返しの場.出演:中村吉右衛門,中村歌六,中村又五郎,尾上菊之助,中村歌昇,中村種之助,中村米吉,中村吉之丞,嵐橘三郎,大谷桂三,中村錦之助,中村雀右衛門,中村東蔵.
今様三番三は雀右衛門の踊りが美しい.引き抜きやぶっ返しも見事に決まり,見応えあり.
隅田春妓女容性は並木五瓶作の狂言で,侠客・梅の由兵衛がかっての主家から盗まれた重宝を探索すると共に,主家縁の男女,金五郎・小三を助けるため奔走する姿を描く.
筋は錯綜して分かり難いし,梅の由兵衛の実体がいまいち分かり難い(侠客なのに子分はいないし家業も不明)のだが,由兵衛の直面する悲劇の場が胸に迫る.
この場面の吉右衛門,菊之助,米吉がそれぞれ熱演で,感銘的.役者の力と歌舞伎の積み上げた様々な物語の上に,この狂言があるということが良く判る作品.
菊之助が早変わりで奮闘,これも見どころ.
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番外:独断的歌舞伎感想文 12月大歌舞伎1部・2部 実盛物語/土蜘/らくだ/蘭平物狂

日記:2017年12月某日
歌舞伎座で12月大歌舞伎1部・2部を見る.Kabukiza_201712fffl_0382af5e8a5e7da
第一部:源平布引滝・「一、実盛物語(さねもりものがたり)」.斎藤別当実盛(愛之助),女房小よし(吉弥),葵御前(笑三郎),郎党(宗之助),同(竹松),同(廣太郎),同(廣松),百姓九郎助(松之助),瀬尾十郎(片岡亀蔵),小万(門之助).河竹黙阿弥 作・「二、新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)」.出演:叡山の僧智籌実は土蜘の精(松緑),源頼光(彦三郎),侍女胡蝶(梅枝),坂田公時(萬太郎),巫子榊(新悟),太刀持音若(左近),石神実は小姓四郎吾(亀三郎),碓井貞光(橘太郎),渡辺綱(松江),番卒藤内(坂東亀蔵),番卒次郎(片岡亀蔵),番卒太郎(権十郎),平井保昌(團蔵).
第二部:初代桂文枝 口述,堀川哲 脚本,奈河彰輔 改訂・演出,今井豊茂 演出・「一、らくだ」.出演:紙屑屋久六(中車),やたけたの熊五郎(愛之助),家主幸兵衛(橘太郎),家主女房おさい(松之助),らくだの宇之助(片岡亀蔵).浅田一鳥 作,水沼一郎 補綴,竹柴諒二 補綴.倭仮名在原系図・「二、蘭平物狂(らんぺいものぐるい)」.出演:奴蘭平実は伴義雄 松緑),壬生与茂作実は大江音人(坂東亀蔵),水無瀬御前(児太郎),一子繁蔵(左近),女房おりく実は音人妻明石(新悟),在原行平(愛之助).
実盛物語は愛之助の実盛にあまり感心しない.型通りの実盛で,個性に欠ける嫌いあり.未だ発展途上か.亀蔵は自ら首を落とす場面でのトンボが見事,身体能力は相変わらず.
土蜘蛛は後半松緑の踊りが堪能できたが,前半が思ったより長くて不覚の爆睡.
らくだは上方弁の芝居がテンポ良く,とにかく中車がうまくて笑わせる.大家の家の前での死体とのもつれは,陰になって見えなかったのが残念なほど場内爆笑.亀蔵の死体も傑作,愛之助はかなり食われたか.
蘭平物狂は前半が思ったより複雑な展開で不覚の入眠,しかし後半の大立ち回りは,幕の不調があって出だしがつまずいたにも関わらず,誠に入魂の大奮闘,最後に息子の名を呼び探し求める姿には胸が熱くなる.これが今回限りとは残念だ.
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2017/12/19

番外:独断的歌舞伎感想文 スーパー歌舞伎II(セカンド) ワンピース

日記:2017年11月某日
歌舞伎「スーパー歌舞伎II(セカンド) ワンピース」を見る.Shinbashi_201710ffl_ecfc4935781aae7
出演:ルフィ/ハンコック(尾上右近),白ひげ(市川右團次),ゾロ/ボン・クレー/スクアード(坂東巳之助),サンジ/イナズマ/マルコ(中村隼人),ナミ/サンダーソニア/サディちゃん(坂東新悟),アバロ・ピサロ(市川寿猿),チョッパー(市川右近),はっちゃん/戦桃丸(市川弘太郎),ベラドンナ(坂東竹三郎),ニョン婆(市川笑三郎),ジンベエ/黒ひげ(市川猿弥),ニコ・ロビン/マリーゴールド(市川笑也),マゼラン(市川男女蔵),つる(市川門之助),エース/シャンクス(平岳大),ブルック/赤犬サカズキ(嘉島典俊),イワンコフ/センゴク(浅野和之).
市川猿之助休演の影を微塵も感じさせない,爆発的エネルギーを感じさせる舞台.
前回同様相変わらず誰がどの役をやっているか判らないが,3時間を超える舞台に一分の隙も無い構成は見事.尾上右近が完璧にルフィを演じて,ハンコックとの早変わりも観客の想像を超える出来で素晴らしい.
巳之助が前回に続きおかま役で演技賞ものの好演.宙乗り時のタンバリンの応援といい,観客の圧倒的な支持を得て実に楽しい舞台.
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2017/11/13

番外:独断的歌舞伎感想文 坂崎出羽守/沓掛時次郎

日記:2017年11月某日
国立劇場で歌舞伎鑑賞.H2911kabukihonomote03_1
山本有三=作・二世尾上松緑=演出・中嶋正留=美術.「坂崎出羽守(さかざきでわのかみ) 四幕」.第一幕 茶臼山家康本陣,第二幕 宮の渡し船中,第三幕(一) 駿府城内茶座敷, (二) 同 表座敷の一室,第四幕 牛込坂崎江戸邸内成正の居間.
長谷川伸=作・大和田文雄=演出.釘町久磨次=装置.「沓掛時次郎(くつかけときじろう) 三幕」.序幕(一) 博徒六ッ田三蔵の家の中,(二) 三蔵の家の外,(三) 再び家の中,(四) 再び家の外,(五) 三たび家の中,二幕目 中仙道熊谷宿裏通り,大詰(一) 熊谷宿安泊り,(二) 喧嘩場より遠からぬ路傍,(三) 元の安泊り,(四) 宿外れの路傍.
(出演)中村梅玉,中村魁春,尾上松緑,中村松江,坂東亀蔵,中村梅枝,中村歌昇,市村竹松,市川男寅,中村玉太郎,尾上左近,市村橘太郎,中村歌女之丞,嵐橘三郎,河原崎権十郎,市村萬次郎,坂東楽善,市川左團次.
「坂崎出羽守」は初見.千姫を救ったら嫁に取らすとの大御所の約束を得て,顔に重傷を負いながら救出に成功した出羽守.しかし千姫には嫌われ,家康と金地院崇伝の二枚舌のために武士の面目さえ失う事態になる.
地味で暗い台詞劇ながら心に迫るのは,直情径行激しやすい出羽守と,演じる松緑の人柄が重なって見えるからだ.松緑と橘太郎が好演.緊張感高い良い芝居.
「沓掛時次郎」は映画(初代・中村錦之助)でも見たが,ここでも橘太郎が梅玉の相手をして良い芝居.魁春はやくざの女房にはちょっと似合わない.
2作とも地味な芝居のためか,客席の入りは良くない.
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2017/11/05

番外:独断的歌舞伎感想文 通し狂言 霊験亀山鉾

日記:2017年10月某日
歌舞伎「通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)―亀山の仇討―」を見る.0
平成29年度(第72回)文化庁芸術祭主催.
四世鶴屋南北=作,奈河彰輔=監修,国立劇場文芸研究会=補綴.四幕九場.
序幕 第一場 甲州石和宿棒鼻の場,第二場 同 石和河原仇討の場,第三場 播州明石網町機屋の場.二幕目 第一場 駿州弥勒町丹波屋の場,第二場 同 安倍川返り討の場,第三場 同 中島村入口の場,第四場 同 焼場の場.三幕目 播州明石機屋の場.大詰 勢州亀山祭敵討の場.出演:片岡仁左衛門,中村歌六,中村又五郎,中村錦之助,片岡孝太郎,中村歌昇,中村橋之助,中村梅花,片岡松之助,上村吉弥,坂東彌十郎,中村雀右衛門,片岡秀太郎.
仁左衛門の仇討ちものだが,主役の藤田水右衛門の悪役ぶりが印象的.
もとはと云えば剣術指南の採用を争う試合に敗れたことを恨んで石井右内を闇討ち,その弟兵介との仇討ち試合は兵介に毒を飲ませてだまし討ち,その養子源之丞,下僕金六は闇討ち,源之丞と恋仲の芸者おつまを斬殺,全て無慈悲にとどめまで刺す.
これで石井家側はほぼ全滅だが,大詰めでは源之丞の隠し妻とその兄・下僕の袖介が源之丞の幼児を立て,亀山藩の協力を得て本懐を遂げる.
仁左衛門が流石の貫禄で悪のヒーローを熱演,又五郎,雀右衛門,秀太郎の好演が印象に残った.見応えある通し狂言.
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2017/08/07

番外:独断的歌舞伎感想文:国立劇場 一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)

日記:2017年7月某日
歌舞伎「一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり) 二幕 檜垣茶屋の場 大蔵館奥殿の場」を見る.H2907kabukikannshoukyoushituomote
国立劇場美術係=美術.
主な配役:一條大蔵卿長成(尾上菊之助),常盤御前(中村梅枝),鬼次郎女房お京(尾上右近),吉岡鬼次郎(坂東彦三郎).
吉右衛門の大蔵卿を見慣れた自分には,斬新な菊之助の大蔵卿だった.
檜垣茶屋の場でのこぼれんばかりの笑顔は,軽妙さ洒脱さでは吉右衛門に一歩及ばないが,大蔵館奥殿の場での凛々しい大蔵卿は誠に魅力的,打倒清盛の力強い台詞が良かった.
結果的には,大蔵卿の作り阿呆の哀愁よりは,平家追討の闘志に溢れた舞台となり,これはこれで魅力的.この芝居の別な一面を見た思いがした.
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2017/08/03

番外:独断的歌舞伎感想文:7月大歌舞伎 夜の部 秋葉権現廻船語

日記:2017年7月某日
歌舞伎座で「7月大歌舞伎 夜の部」を見る.Kabukiza_201707_fff_339eb863121b1ad
「秋葉権現廻船語 通し狂言 駄右衛門花御所異聞(だえもんはなのごしょいぶん) 市川海老蔵・堀越勸玄 宙乗り相勤め申し候. 発端:遠州月本城下浜辺松原の場.序幕:遠州月本館の場.二幕目:大井川土手の場,遠州無間山お才茶屋の場,同 秋葉大権現の場.大 詰:都東山御殿の場,同 奥庭の場,元の御殿の場」.竹田治蔵 作,織田紘二・石川耕士・川崎哲男・藤間勘十郎 補綴・演出.出演:日本駄右衛門/玉島幸兵衛/秋葉大権現(海老蔵),月本円秋(右團次),月本祐明(男女蔵),奴浪平(亀鶴),月本始之助(巳之助),傾城花月(新悟),寺小姓采女(廣松),奴のお才/三津姫(児太郎),白狐(堀越勸玄),駄右衛門子分早飛(弘太郎),長六(九團次),逸当妻松ヶ枝(笑三郎),馬淵十太夫(市蔵),東山義政(右之助改め齊入),玉島逸当/細川勝元(中車).
木挽町広場は開演前から凄い熱気,お客の入りも上々である.
芝居の方も海老蔵始め,一座のこの芝居にかける熱気がうかがわれて感銘的.
海老蔵の早変わり始め,忠臣蔵や勧進帳のパロディ,テンポ良く繋げていく見せ場の数々等,見応えあり.
俳優では児太郎が口跡・所作とも良い出来で,今後に更なる期待を抱かせる出来.巳之助の着実な成長も嬉しい.
海老蔵の一番良い所が発揮され,見て損はなし.
見せ所は何といっても親子宙乗りで,空中から客席を指さしてにっこりし,両手を振ってみせる堀越勸玄ちゃんの舞台度胸には感心した.
他にも久しぶりの柴のぶが見られ満足.最後まで楽しめた通し狂言だった.
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2017/07/10

番外:独断的歌舞伎感想文 歌舞伎6月大歌舞伎昼の部 名月八幡祭/浮世風呂/弁慶上使

日記:2017年6月某日
「歌舞伎6月大歌舞伎昼の部」を見る.Kabukiza_201706ff_dad53efc912c9a257
「池田大伍作・池田弥三郎演出・大場正昭演出一、名月八幡祭(めいげつはちまんまつり)」.出演:縮屋新助(松緑),芸者美代吉(笑也),藤岡慶十郎(坂東亀蔵),魚惣(猿弥),魚惣女房お竹(竹三郎),船頭三次(猿之助).「木村富子 作 二、澤瀉十種の内 浮世風呂(うきよぶろ)」.出演:三助政吉(猿之助),なめくじ(種之助).「三、御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち) 弁慶上使」.出演:武蔵坊弁慶(吉右衛門),侍従太郎(又五郎),卿の君/腰元しのぶ(米吉),花の井(高麗蔵),おわさ(雀右衛門).
名月八幡祭は,田舎者新助の悲劇,芸者美代吉も遊び人三次もさほどの悪ではないし,新助が騙されたと言っても金をだまし取られた訳ではない.魚惣の言ったとおり『呆れてものも言えねえ』というのが正解.
松緑の新助は,あまりにぺこぺこしすぎではなかろうか?しかし魚惣の窓から美代吉を見るシーン,最後の本水を使った斬殺シーンは良かった.猿弥の魚惣も素敵.
浮世風呂は猿之助の軽妙自在な踊りが好ましい上,種之助のナメクジが純情可憐で可愛らしい.
この踊りの発想そのものが実にしゃれていてこころ楽しいものがある.最後ナメクジがスッポンに落とされて上から塩をまかれちゃうのも,傑作.
弁慶上使は子殺しもの,嫌いなタイプである.吉右衛門はアフロのカツラで熱演,雀右衛門・米吉も良かったが,物語の後味は悪い.
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